リサイクルも人海戦術

以前、仕事の都合で中国に駐在していたことがあります。
当時の中国ではまだゴミの分別が厳しくなくて(今も事情は同じなのかもしれません)、なんでもかんでもゴミはゴミ、粗大も生活も金属もプラスチックもみないっしょくたに捨てて構わないのでした。
それでなんでもかんでもマンションのゴミ捨て場に捨てていましたら、捨てるはなからどこかに消えていきます。さっきまであったというのに、次に見たらもうない・・・
どうやら誰かが勝手に持って行ってるようなのです。まだ使えるものは使っているのでしょうし、使えなくても資源ごみとして売れるものは売る、売っていくらかにでもなれば丸儲け。そういうことらしいのです。そういえば、廃品回収と手書きの看板を掲げた店をしばしば目にしました。そこへ持って行けば買ってくれるのでしょう。
ペットボトルや空き缶も同様に買い取ってくれるところがあるようで、年寄なんかが売りさばいてはちょっとした小遣い銭としているようで・・・
あるとき、真夏のこととてバス停でペットボトルのコーラを飲んでバス待ちをしていますと、向こうの方でじっとこちらを見る人がいます。年配の女性です。ずっとこちらを見ているのですが、それ以上の何をするわけでもなく、ただただこちらをうかがっている。
気持ち悪いなあと思いつつ、コーラを飲みほし、空のペットボトルをゴミ箱に捨てましたところ、その途端でした。その途端に、こちらをうかがっていたさっきの女性が、走り寄って来るではありませんか。
うわわ、なんだなんだ。
一瞬、たじろいでいますと、その女性、ゴミ箱に手を突っ込むや今しがた捨てたばかりのペットボトルを探し当て、また、さささっとどこかへ走って消えました。
こちらの飲んでいたペットボトルを狙っていたのでした。
たった今捨てたペットボトル、ゴミになってすぐ再利用のサイクルに乗ったわけです。
さすが中国、人海戦術すみずみまで行き渡って、リサイクルが日本などより浸透しているかのようでした。
ベッドルーム-1